前回に引き続き、オークション出品物件下見のお話し。
写真を撮りながら、GTのあちこちを森本メカと確認していった。
程度は年式相応で、あちこちにサビが浮いていた。また酷いところは穴が開いてしまっている。
おきまりのリアフェンダー下部は特に酷かった。
室内はフロントのタイヤハウスとフロアの角がパックリ割れていて、地面がコンニチワ状態である。
運転席側はアルミの板をかぶせてガムテープでとめてあるだけ。雨の日は水漏れ必至だ。
助手席側のフロアはもっと酷い状態で、縦15センチ横5センチほどの穴が開いており、下からアルミの板を2枚リベットで止めてあった。隙間だらけで雨風がガンガンに入り込んでくる状態である。
夏は涼しくていいかもね、なんて言ってられない。このままでは踏み抜いてしまうのではないかと思ったくらいである。
しかし40年前のクルマだし、この程度であればレストア可能だと判断。
基本的なパーツは全て揃っているし、ホイルは純正に加えて同サイズのアルミも付いていた。GSSの分とそれぞれのスペアタイヤを合わせるとタイヤだけで14個である。他にグリルのスペアが乗っていたし、水中メガネと呼ばれるリアゲートもスペアがあるという。その他沢山のオマケが付いており、それだけでかなりお得な気分にさせられてしまった。ただし全部ボロだけど。マニアにはお宝に見えても、興味の無い人が見たら、ただのゴミである。ちなみに僕にはお宝に見えました。
あとパーツ取りのGSSもあるし、なんとかなるだろうということで下見を終えることにした。
コジマさんにお礼の言葉を伝え、落札の際にはまた来ますと挨拶し帰路についた。
帰りのクルマの中、森本メカと、もし落札したら!の話をした。こういう話をしているときが一番楽しいものである。
まずは赤いGSSをばらして必要なパーツを取るだけ取ってしまう。その後GTのエンジンを生き返らせて、ブレーキやって、クラッチやって、ミッションをGTにスワップして、板金して、塗装して、シート張り替えて、内装仕上げて、ゴム類交換して、あれやこれやと段取りを考えながら横浜へ向かった。
やっぱ塗装は最後かなぁなどと言いながら森本メカの方を見ると、珍しく真面目な顔で唸っていた。
どしたの?と聞くと、森本メカが一言。
ところで、僕ら2人で、どうやってあの2台を持って帰るんですか・・・
え・・・?
つづく。
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